花の散った後も胡蝶蘭は育てる方法があります。
美しく咲き誇っていた胡蝶蘭の花が、すべて散ってしまった後の姿を前にすると、「処分するしかないか」と思ってしまう方が多いようです。
ただ、胡蝶蘭は花がすべて落ちてしまっても、きちんとした適切な対応をしてあげれば、何回なん十回と新しい芽が吹き出して、茎となって伸びてゆき、新しい花を楽しませてくれる、生命力にあふれた頼もしい観賞蘭なのです。
花が落ちてしまった胡蝶蘭を、手軽に楽しみながら再び咲かせる方法を、どなたにも解りやすくご紹介します。高価でデリケートな胡蝶蘭を育成するなどということは、プロにしかできない特殊で高度な技術だと思われがちですが、実は違います。
もちろん基本的な知識とこまやかな気遣いをいとわない、花への愛情は不可欠です。ただ、高度な対応等は必要なく、こまめな手入れをしていただければ、胡蝶蘭を育てることは可能です。
胡蝶蘭のお手入れの基本ポイント
胡蝶蘭を長持ちさせるには、日光・温度・風通しの3要素が大変重要です。胡蝶蘭は寒いところが苦手です。暖かいところに置き、午前中の日光にはできるだけあててください。
そして風通しの良いところで育てれば、長く花を楽しむことができるでしょう。終日直射日光があたるところではなく、薄日が半日くらい当たるところを好むので育てる時はこの点を考え置き場所を決めて下さい。
冬は寒さに当たらないように、夏は風通し良く、をポイントに気を付けてあげてください。花をもたせるだけで、あとは育てないという方なら、水は一切与えずに、霧吹きだけで水管理をすると花もちは良くなります。(その場合は午前中に霧吹きがポイント)
胡蝶蘭の季節ごとの育て方
春:植え替えの時期
5月中までの直射日光では葉焼けを起こすことはほぼありませんので、たくさん日に当ててあげてください。また、植え替えの時期でもあります。花が終わっているときは植え替えをおすすめします。
日:レースカーテン越しの半日陰の状態で、室内では常温の状態。
風:エアコンの直風厳禁、室温の高い日は風通しをよくしてください。
水:1週間~10日に一度、根元へ潅水。
梅雨:加湿による病気に注意
この時期になると加湿による病気が心配です。風通しをよくし、水の与えすぎには要注意!室内での風通しが確保できないのであれば、野外(ただし、直射日光や雨にぬれるところは厳禁)に置くのもいいかもしれません。
日:(晴天)レースカーテン越しの半日陰の状態で日光に当ててください
雨:(雨天)ガラス越しに半日以上太陽を当てるようにしてください
風:梅雨時期は特に風通しをよくしてください
水:2週間~3週間に一度、根元へ潅水。
夏:風通しを良くする
夏場の暑さには耐えることはできますが、風通しが悪いと株が弱ります。夏場は特に風通しを良くすることに注意してください。
日:直射日光厳禁、涼しい場所で育ててください
風:エアコンの直風厳禁、室温の高い日は風通しをよくしてください
水:1週間~10日に一度、根元への潅水を
秋:秋雨で病気になる可能性あり
胡蝶蘭はこの時期(昼夜の気温差のある時期)に花芽をつけます。外に株を置いている方は、極力これからの秋雨には当てないように注意が必要です。秋雨に当てると病気になる可能性が高くなり、せっかく出かかった花芽が腐ってしまいますのでご注意ください。
日:レースカーテン越しの半日陰の状態で、室内では常温の状態で。
風:エアコンの直風厳禁、室温の高い日は風通しをよくしてください
水:1週間~10日に一度、根元への潅水を
冬:この時期に一番注意が必要
冬は胡蝶蘭にとって要注意の季節です!夕方に冷たい水を与えると根が凍傷にかかりやすく根腐れを起こしやすくなります。
日:レースカーテン越しの半日陰の状態
風:暖房機のそばや直風は厳禁です。
水:2週間に一度、根元への潅水を(日中の暖かい時間に限る)
◎寒い時期に潅水するときは、晴天時の午前中としてください。出来ればぬるま湯を与えると良いでしょう。夕方に冷たい水を与えると根が凍傷にかかりやすく根腐れを起こしやすくなります。
◎水は乾いてから与えてください(2週間に一度で十分)乾燥しますので苔の表面は乾きますが、中の方は湿っています。
◎11月~3月までは直射日光に当てても大丈夫です。特に朝日は胡蝶蘭の大好物です。(朝日は通年必要)日光は胡蝶蘭にとって大切な栄養源です。この時期、直射日光に当てて胡蝶蘭を丈夫に育てましょう。
胡蝶蘭の肥料の与え方
基本的に開花時期、冬場の寒い時期には肥料は控えてください。肥料は、3月から9月の間だけで結構です。それ以外の期間は株が休眠していると考えてください。 開花終了後、洋蘭専用肥料を1回につき、3000倍程度に薄めて施肥してください。
通常(温室(20度~25度)があれば話は別ですが)家や事務所の中だと、夜間冷えますので株が弱ってきます。そんな時に肥料を与えるとどんどん根腐れをおこして枯れますので、肥料を与えてはいけません。
プロが教える育てるコツ
胡蝶蘭は、昼夜の温度差のある時期に花芽を付けます。
初冬の胡蝶蘭たちに別れを告げ次の花を咲かせるポイントをお伝えします。
◇胡蝶蘭は、基本的に年に一回しか花が咲きません。
それを2回咲かせるには、花が完全に咲き終わる前(1、2輪残っている状態)に咲いている花の茎を切ります。
位置は茎の下から3節目の2㎝程上をカットして下さい。
株が弱っていると次の花は咲きませんので、切るタイミングは重要です。
◇切った後は、静かに時を待ってください。肥料は必要ありません。お水も控えめに。
ただただ静かにお待ちください。すると1か月程度で花芽らしいものが切り口の下の節から出てきます。
花芽が出れば、30%成功です。
◇この花芽にいかに多くのつぼみをつけさせるかが勝負です!
株に余力があれば、花芽まではスムーズに発芽しますが、つぼみをつけるには、さらに幾つかの条件と更なる愛情が必要です。
第一条件は日光です。この時期は直射日光に当てても葉焼けはしませんので、日光に存分に当ててください。
次の条件は温度管理です。
ご自宅での温度管理は難しい面もありますが、午前中は窓辺で日光にあて、夜間は窓辺は冷えるので、部屋の中央に移してやる…。
このあたりの細やかな気遣いが、愛情となり胡蝶蘭にとってつぼみをつけるための大切な肥料となります
◇この花芽にいかに多くのつぼみをつけさせるかが勝負です!
株に余力があれば、花芽まではスムーズに発芽しますが、つぼみをつけるには、さらに幾つかの条件と更なる愛情が必要です。
第一条件は日光です。この時期は直射日光に当てても葉焼けはしませんので、日光に存分に当ててください。
次の条件は温度管理です。
ご自宅での温度管理は難しい面もありますが、午前中は窓辺で日光にあて、夜間は窓辺は冷えるので、部屋の中央に移してやる…。
このあたりの細やかな気遣いが、愛情となり胡蝶蘭にとってつぼみをつけるための大切な肥料となります
◇つぼみがつけば花が開くのを待つだけです。つぼみが乾燥しないように時々霧吹きで湿らせてあげてください。(特に暖房を使う冬場)
胡蝶蘭を育てる際の注意点
胡蝶蘭の触れてはいけない箇所
胡蝶蘭は大自然に雄大に咲く花。雨が降らない時期が続いても生き延びる、丈夫な花です。
でも、反面とても敏感なところもあります。
それが、雌しべです!!
「わぁ~キレイ~☆」と、花びらを触り、その次にお花の中の雌しべを触ってしまうことがあるようです。
実はその時に・・・触られた雌しべは、その瞬間受粉を完了したと勘違いします。
そして・・・自分の仕事は終わったと思ってしぼんでしまうのです。
ですから、胡蝶蘭の花の中心部分には絶対に触れないようにしましょう。
胡蝶蘭に付きやすい害虫と病気に注意しましょう!
【カイガラムシ】
カイガラムシは胡蝶蘭や観葉植物について植物を弱らせる害虫です。体長は2~10ミリほどの小さな虫で、葉っぱや茎に取り付いて樹液を吸うことで成長します。被害が拡大すると最悪の場合、枯れてしまうこともあります。また、1年を通して活動と繁殖を繰り返すので、やっかいな害虫なのです。カイガラムシの駆除としては、殻を作る前の幼虫のうちに殺虫剤を使うか、殻ができてしまった後に手作業で取り除くかの2パターンがあります。成虫になると硬い殻に覆われてしまい、殻のせいで殺虫剤が効きにくいため、見つけた成虫はブラシやピンセットを使って取り除きましょう。幼虫の頃は殺虫剤が効果的です。
【ハダニ】
ハダニは体長0.3~0.5 ミリの虫で、クモに近い生き物なのでクモと同じように糸を吐きます。3~10月の暖かい季節に発生し易く、植物の葉から栄養を吸収して弱らせます。葉の裏に寄生して栄養を吸い取りますので、被害を受けた葉は、葉緑素が抜けた真っ白な状態になります。ハダニは、数が少なければ被害はあまり大きくなりませんが、その数は短期間で爆発的に増えることができます。数が増えて被害が大きくなると、葉緑素不足によって光合成ができなくなり、成長不良に陥ったり、最終的には植物を枯らすことにもなるので、注意が必要です。ただしハダニは水に弱いので、発生している場所に霧吹きなどで水をかければある程度駆除できます。大繁殖する前にこまめに葉水をするようにしましょう。
【葉焼け】
葉焼けとは、急激に植物の葉の温度上昇が起こることで、葉の組織が壊れて死んでしまうことをいいます。その葉焼けした部分はもう元に戻すことはできません。葉焼けによって胡蝶蘭の株自体が弱ってしまい、ついには枯れる原因にもなり得ます。殺菌剤を撒布するとか、葉焼け部を切り落としましょう。人間が長時間直射日光に当りすぎると日焼けするのと同じで、長時間の直射日光は葉焼けの原因になります。もう一つ注意したいのが照り返しです。コンクリートの上等、熱くなる場所に直接置くことも控えるべきことのひとつです。下からの熱で根っこを傷めてしまうことになりかねません。どうしても置く場合にはスタンドを使うなど、工夫して直接置きを避けましょう。
【軟腐病】
葉焼けとは、急激に植物の葉の温度上昇が起こることで、葉の組織が壊れて死んでしまうことをいいます。その葉焼けした部分はもう元に戻すことはできません。葉焼けによって胡蝶蘭の株自体が弱ってしまい、ついには枯れる原因にもなり得ます。殺菌剤を撒布するとか、葉焼け部を切り落としましょう。人間が長時間直射日光に当りすぎると日焼けするのと同じで、長時間の直射日光は葉焼けの原因になります。もう一つ注意したいのが照り返しです。コンクリートの上等、熱くなる場所に直接置くことも控えるべきことのひとつです。下からの熱で根っこを傷めてしまうことになりかねません。どうしても置く場合にはスタンドを使うなど、工夫して直接置きを避けましょう。